TOP−囁(2004年分)
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ふと思ったこと、言いたかったこと、聞いて欲しいこと、
独り言を好き勝手綴ります。


2004年の囁

ドラえもん談議 04年12月24日

っつっても、声優さんが替わるとかそういう話じゃなくて。
よく「ドラえもんの道具、たった一つだけなら何が欲しい?」って話するでしょ。
最近何回かそういう話になったんだよね。

そりゃぁ、タイムマシンで未来を見て馬券当ててとか、四次元ポケットで貸し倉庫やって金儲けとか、実際そういうのがいいわな。
でもそれじゃ話つまんないからさぁ。みんな大人だから、もっと夢(妄想?)語る訳よ、Yo! yo yo yo〜(意味なし)

んで、まず多いのが「どこでもドア」。
やっぱいいよね、どこでもドア。遊び場にすぐ行けちゃうもんね。かなり魅力的。
でもよぅ、現地着いたらどこでもドアしまっておくとこねーんだぞ?(←この時点でもう夢がない)
あんないいもん、すぐ盗まれちゃうぞ。ドラえもんは四次元ポケット持ってるからいいけどさぁ。(あぁ、夢がない・・・)
当然、タイムマシン然り。

じゃぁオマエは何が欲しいかって?
 「ふぁ〜い、タケポクタぁ〜!」

ハイクアップなし!下見もできる!もちろんザックにしまっておける。
雪崩れが起きたら”ぴろぴろぴろ〜”って飛んで逃げればもう安心!

すげーべ!スゲ〜べ?欲しくなったべ!?


・・・どうやら俺、妄想癖があるようだ。


楽しさと危険 04年12月20日

このところ山を滑る勉強会やビーコンのトレーニングなど、そういうのに昨シーズン振りに参加してきた。
知識を再確認する事、そして薄れた意識を取り戻すのに、とても良い機会だった。

オフシーズン中、雑誌やDVD、新しい道具で夢ばかり膨らみ、危険に対する意識が遠のいていたと思う。
楽しさばかりに目が行き、臆病になる事を忘れかけていた。
それを思い出せた、それだけでも大収穫だった。

ここ数年の異常気象からも察する事が出来るように、雪山に関してはもう昔の常識は通用しない。
気候、雪の降り方や質がまるっきり変ってきているから、雪崩れなどの起こり方も変ってきている。
最近ではそれを物語るかのように、「ここは雪崩れない」そう言われてきた各所で雪崩れが起こっている。

趣味云々問わず、道路で車を運転する際にはたいていの人が保険を掛ける。
いくら注意力があり運転に自信があっても、もらい事故だってあるからだ。
時折アホな輩が無保険で事故を起こし一生を棒に振る話を聞くが、普通の人はそれを聞いて
「なんて馬鹿な奴」「常識外れだ」そんな風に思うだろう。

じゃぁ雪山は?
  「滑りたい所 = 斜度のある所 = 雪崩れる可能性のある所」
自分が雪崩に遭う・誘発する可能性、それは交通事故に遭う可能性より大きいだろう。
それに対する準備・保険を無視して、楽しさだけで山に入るという事は、結局は無保険で事故を起こすアホと一緒。
「なんて馬鹿な奴」「常識外れだ」、自分の意識がそんな輩になろうとしていた。


今や三種の神器を持つ事は、すっかり定着した。
雑誌やDVDでも、最低限のマナーとして啓蒙するよになった。
だけど、だから持つんじゃないよね。
自分が死なない為、そして仲間を死なせない為、その為に持つんだよね。
危なく「常識だから持つ」になろうとしていた。

楽しさばかりを考えて、危険に対する意識が遠退いていた。


叔父の死 04年12月07日

昨日、朝帰りしてみると実家から留守電が入っていた。叔父が急死したと。
まだ死ぬには若かったが、そろそろそういう歳になったんだな〜って。
ま、それくらいの感覚だったんだわ、はじめは。

叔父の家に着き、叔母と会う。
えらく肩を落とし、寂しそうな叔母。
そんな叔母を見て、また孤独感みたいなものを考えちまった。いくら考えたって答えはないのにね。
なんとも言えない、切ない気分になった。

折しも巷はクリスマス・ムード一色。
今年も一人のクリスマス。
大嫌いなクリスマス。

前の日までバカ騒ぎしてたくせに、昨日は妙に寂しくて仕方なかった。


ご対面 04年12月07日

4日の土曜日、急遽オープンしたデコに行ってきた。
スキー場に近付いた頃、道端でションベンしてる人がいた。
今思えばARC'TERYXのオレンジ色だったなぁ。

スキー場に着いて着替えてWAX剥がしてたら、誰かが俺に声を掛ける。「イサワさんですか?」
声の主を見ると、まるで知らない顔。一体ドチラサマ?
「なんで知ってるんですか?」と聞くと、「栃木の○○です」と。(いちおう伏字で)
もうビックリしたのなんのって!なんてったって初のご対面。

実は俺が愛する'00 BURTON SUPERMODEL81と言う板、この方から譲って頂いたんだよね。
gentemstickについても色々教えて貰ってて、まあ、買うきっかけになったわな。
俺の人生脱線劇を助長させる、悪い人間だ(笑)

ひょんな所で会ったと思う半面、まあ妥当な場所だったなとも思う。
これから帰るところだと言うそのナイスガイは、オレンジのARC'TERYXだった。
っつーことは???
わざわざ戻って来てくれたんですね。ホントありがたいことです。

この出会いのきっかけとなったオモチャ(スノーボード)と、誰か見てんだか見てないんだかさっぱり分からないこのHP、続けてて良かったよね。

そしてこの次会う時は、やっぱ白い雪の上かな?


山 04年11月19日

「山はさぁ、なんかオッサンっぽいじゃん。」
俺が良く言ってたセリフだ。

それが今年は良く行ったなぁ〜
「オッサンっぽくない」海にも行かずに。


ガキの頃、よくじーちゃん達と薬莱山(やくらいさん)って山に行ってた。
春になると朝3時に起きてさ、たらっぽ、うど、ぜんまい採りに。
それこそ何十回も行ったよ。大好きな場所だった。
そのじーちゃんが6年生の時に死んで、パッタリ行かなくなった。
そのうち俺もお年頃になり、興味は全く違う方向へ・・・

社会人になり、前々から興味あったスノーボードを買った。
ハマりにハマって、足繁くスキー場に通った。
そして気付いたら裏山への興味が湧き出していた。

夏山、始めは冬山の為に登った。
それを続けるうち、好きになってきた。
素直じゃないから、かっこ悪いと思うから、言う言葉は「滑る為に登るだけ」。


スノーボード始めたのはさ、「カッコいいかも」ってのもあったよ、当時は。
でも山登りはさ、「カッコ悪い」って思うのにやってんだよね、気付いたら。

ガキの頃から好きだったのかもしんないなぁ、山。
どうだったんべ?じーちゃん。


地図 04年11月17日

最近の俺のオモチャ、国土地理院発行1/25,000地図。
そう、きっと誰もが小学校夏休みの宿題で色塗りしたであろう、あの地図だ。
最近、子供心を思い出し、塗り絵に勤しんでいる・・・な訳ねーべ!

最近山に行く時、必ずコンパス、高度計(付き時計)と一緒に持ってくようにしてる。
ショボい山が多いから、たいてい誰も地図なんか見てやしない。(っつうか誰も居ない事も少なくないけど・・・)
だから、登山地図ならまだしも、地形図なんか開いて見てるとこっ恥ずかしいものがある。

だけど面白いんだよね。
まだまだ未熟ではあるけれど、地形が見えてくるんだよね。
山道なんて地図と違ってる事も良くあるけど、地形図読みしてると「あ、道線と違うな」とか「今はここ通ってんだな」とか見えてくる。
他人が迷い込んだ道が出来ていたとしても、「こりゃ違うべ」ってな感じで見えてくる。今までみたいに迷うと言う事が少なくなった。
地図を読み地形を観察してると、見えてくるんだなぁ〜

でも、まだまだ甘チャンだから、もっともっと山で地図を見ないと。
「地図読みの上達法は、とにかく地図を見る事だ」と本にも書いてあった。
恥ずかしい気持を我慢して、しっかり地図を見よう。

雪が積れば地形は隠れ、急激に判断が難しくなる。
その時の為にも。

う〜ん、やっぱりGPS必要かなぁ・・・


住めば都 04年10月22日

今まで俺が住んだ所、長い順に。
  @仙台 A茨城 B名古屋
ピンときた方もいるかな? そう、世間で「ブスの三大都市」とか言われてる、その三都市だ。(女性のみなさんスミマセン...)

仙台は言うまでもなく生まれ故郷。今も住んでる所だな。
茨城は学校卒業して初の就職先。4年住んだ。
そして名古屋、これは住んだって言うかどうか分からないけど、学生ん時に3週間ばかり。

だから名古屋は良く分からん。
茨城は山が無いからなぁ〜。毎週片道4〜5時間かけてスキー場通ってたし。でも海がメインの人には格好の場所かも。都内行くのも比較的近いし。
仙台は生まれ故郷だしやっぱ好きだな。一番好き。山も海も街も、適度に揃ってる。都内までも新幹線で2時間足らず。
よく都内の人で定年を迎えると仙台に移り住むってパターンが多いみたいだけど、うなずけるもんな。
なんだかんだ言って、仙台大好き。

でも、他にも住んでみたい所はいっぱいある。
まず山形ね。冬になると天元台スキー場に行くから、米沢にでも住んでりゃ好都合。使える時間がいっぱい増える。
年に何度かは都内やら横浜やらに行くから、そっちに住むのもどうだろう?なんて。
北海道もいいよね。札幌あたりなら仙台に条件近いような気がする。都心は遠くなるけど、飛行機で一発だもんな。
新潟もいいかも。山いっぱいだし海もあるし街もそこそこ。

でもね〜、なかなか移り住むって事はしないよね。
面倒ってのもあるし、何かきっかけがないとね。
それよりも何よりも、仙台が大好きだってのが一番の原因かな。一番いい場所だと思ってるから。

でも、住めば都って言うじゃない?
遭えて何所とは言わないけど、住んでみたいよね。
ただし金持ちじゃないから、仕事さえあれば、の話だけどね。

みなさん、住んでみたい所ってありますか?


出腹更正委員会 04年10月19日

このところBBSでブタ化が取り糺されている。
しかし、シャレでは済まない状況に陥りつつある。
だってさぁ、ズボンがきっついんだよぅ(;_;)

俺と丹○氏(本人の名誉の為に遭えて伏せ字にさせて貰う)は、月山シーズンの終わった7月くらいから徐々にキていた。
その容姿はまるで太ったサル、フットサルもしないのに...(←このオヤジダジャレは高専時代の友達熊谷から伝授された)
特にお腹の周りがヤバいんだな〜。

そこで俺と丹○氏は「出腹更正委員会(デッパラコウセイイインカイ)」なる物を架空設立し、密かに活動し続けていた。
山でルートを選ぶ際にハードなコースを選択するよう指導するとか、その後の晩飯も油っこい物を避けるよう指導するとか、厳しく監視してきた。
(誰を指導するのかって?そりゃ自分達をだよ。切なくなるからあまりツッコムでない!)

しかし最近、活動が鈍っていたような気がする。
何も気にせず本能の赴くまま、食いたいモン食いたいだけ食ってたような気がする。
そう、我々はここらで一発、気合を入れる必要があるのだ!

皆「他人に厳しく自分に優しく」な奴等ばっかだから、ビシビシ行こうぜ!
中傷、罵倒、何でもアリアリ!それを乗り越えスパーバディを手に入れるのだ!!
もうシーズンイン間近、ガッチリ気合入れて行きましょう。


あ、そろそろ残業時間だからお菓子でも買ってこよっと。


孤独感って...? 04年10月12日

今年ももう10月、そろそろ巷では年末の話題が出てくる頃になってきた。
年末と言えば、年越しの前にはクリスマスという一大イベントがある。おそらくカップル達には誕生日と並んで大きなイベントだろう。
でもそれは、どうにも一人身にはツラいイベントな訳で。巷の盛り上がり大きければ大きい程、ツラい訳で...
そんな事を考えてたら、3年前のクリスマスを思い出してしまった。

2001年12月25日の朝、とあるニュースを耳にした。
  『ジャック・マイヨール氏死去、享年74歳。』

素潜りで初めて100mを超えた人で、人間でイルカと話せる唯一の人。
ダイバーとしての仕事に疑問を感じ、大好きなカリブ海の島に一人移り住み、大好きな海やイルカに囲まれてのんびり暮らしてた。
そこに家族は居なかったけれど、本人がそれを選び、とても自由で幸せな、そんなマイヨールおじさんのライフスタイルはある意味憧れだった。

そしてニュースが次の言葉を伝えた瞬間、自分の耳を疑った。
  『死因は自殺・・・』

おじさんは海に身を任せた訳でもなく、自分の家で首を吊って死んでしまった。
「孤独だ」 そう言い残して・・・

あんなに海が好きだったおじさんが、ずっと一人で生きる事を選んだおじさんが「孤独」に耐え切れなかったなんて...
「孤独」ってのはそんなに恐ろしいのか? その人の楽しかった生き様までをも変え、自殺にまで追い込むものなのか?

その数年前、俺は本気で嫌になって別れた彼女がいた。
趣味は合わず、感覚も合わず、縛られ、バカップルを演じさせられ、表と裏の顔が恐ろしく違う奴だった。
多少縛られたりバカップルするのはいいわな。でもそういうレベルではなかった。
「こんな思いしてまで彼女なんかいらないよ...」そう思って別れた。
それ以来、一人のほうが楽、一人で好きな事やっていければそれで幸せ、そう思って生きていた。まるで往年のマイヨールのように。
そんな俺には、恐ろしくショッキングなニュースだった。なんか急に自信なくなったような、そんな感覚に陥った。


それから時も経ち、その間様々な出来事もあり。やっぱり仲間は必要だとか、彼女という存在はいいもんだとか、まともな考えには戻った。
でも、これから年を重ねる度に、様々な理由でその仲間達と会えなくなったら、そしてカミさんも出来なかったら、その時俺はどう感じるのか?

今のところ、本当に一人になった事って無いよね。けれど...
仲間と会う機会がなくなってしまった時、いったい自分はどう感じるのか?
仲間には家族があり、自分だけ一人だったとしたら、いったい自分はどう感じるのか?

孤独感って...どんなんだろう?
俺も自殺を考えてしまう程のものだろうか...?

今楽しいだけじゃ駄目なのかな。
人生ちゃんと考えないと駄目なのかな。
あの日以来、クリスマスという言葉が聞こえると、ふと考えてしまう。

マイヨールおじさん、俺はどうしたらいいのかな?


スキージャーナル 04年10月04日

「あれ?スキー雑誌の話?」そう思う方も少なくないと思う。
そう思ったアナタの目は正しい。だって見間違いでも何でもなく、スキー雑誌の話だから。

実は昨日、スキージャーナル11月号というのを買った。
本屋に行くのさえ何年振りだろうか?そのくらい行ってないな。
インターネットがここまで発展した今、本を買わなくとも済む事が多くなってきたからだろう。
しかし、久々に心引かれる内容の雑誌に出会った。と言うか、岡野−丹治さん経由で聞いたのだ。

聞いた内容だと「どうだべな?ま、見てみっか。」な感じ。
立ち読みしたかったが、別冊が付いてる為ビニールに入っていたりゴムで閉じてあったりするので、全く見れない。ちぇっ。
一部の見たい特集の為に\880は決して安くないので悩んだが、覚悟を決めてお買い上げ。
家に帰って見てみると...

すんばらしい内容でゴザイマス!ブラボー!
自分の頭ん中の引き出しの中身と、あまりにもシンクロする内容!
久々に雑誌で興奮しちまったよ。

高久智基や中牟田知美といったスノーボーダーまで出ていたのには感動したな。やるな、スキージャーナル。
やれスキーだ、やれスノーボードだと、くだらない事を気にして本質を見失う阿呆が減ったと思うと、嬉しいよね。
(そのぶん世間で言うスキー人口もガクンと減っている訳だが...)
使う道具が何であれ、向いてる方向は一緒、それだけでいいはずだから。
俺がずっと思ってた事だから。
スノーボードを始めて、今度で13シーズン目になる。
始めた当時は肩身が狭かった。滑走禁止のスキー場も多く、規制も酷かった。
マナーが悪いと先輩にこっ酷く叱られた。「これ以上滑れないスキー場を作る気か!」と。
スキー場はスキー場であってスノーボード場ではない、我々は「滑らせてもらってる」んだと。
それでもスノーボードと言うだけで、白い目で見られたりもした。露骨に嫌がられた。
ブチ切れそうになる度に「ここはスキー場、俺は滑らせて貰ってる立場、我慢我慢...」とひたすら耐えた。
なんで仲良く一緒に滑ってくれないんだろう?いつもそう思ってた。

そんな時代から10年程で、スキー雑誌にスノーボーダーが仲間として載るようになった。
やっと理解して貰えたか、という安堵感。そして、同じ考えの仲間が増えるという嬉しさ。

スキー人口は減り続け倒産するスキー場も少なくない。道具メーカーにしたって一緒。
確実に遊び場・道具は減っているけど、本当の仲間は増えてくよ。
だからかな、毎年どんどん楽しくなって行くのは。


ん?肝心のスキージャーナルの内容?
そんなの自分で確認しなされ。面白いのは付録のほうだよ。


デジカメと仕事 04年09月30日

まず、俺は電気系の設計を仕事としている。まぁ、エンジニアの端くれだな。
学校を卒業して茨城県で4年間務めた某メーカーを辞め、仙台に戻ってきて設計派遣をやってる。
次の職を見付けるまでプーしようと思ったけど、そのままダメ人間直行便NY!のような気がしたので、考える間もなくそうした。
んで、初めはつなぎのつもりで派遣の会社に入った。

初めの派遣先は某通信機器メーカー富○通。通信業界がノリノリの時代だ。担当したのは海外向の伝送装置の設計だ。
LSIの設計が多く、出来たLSIの評価もよくやった。評価用の環境は自分で考えて回路を起こせるから、面白く勉強になった。
実は車のコンピューターをイジるノウハウも、ここの環境があったらからこそ独学で学べた。
しかしそんな良き時代も長くは続かない。6年務めた頃には通信業界はすっかり冷え切っており、不景気に陥っていた。
そのメーカーでは社員数千人単位のリストラ、自分の居た職場でも営業職への強制転換など、相当厳しい現実が待っていた。
当然、辞めて行く社員も沢山いた。そこで自分は派遣終了、次の職場へ行く事となる。儲かっている会社へと...

この時思った。「今の仕事って安定してるかも。」
そう、ある企業に入ってしまえば前記のような事もあるが、自分は違う。その企業の経営が傾けば、別の企業に行くだけだ。
確かに給料は行った先のメーカーより安い事が多い。でも食ってけるだけの給料は貰える。
行き先だって好きな場所なら何処でも行くし、嫌な場所しか選択肢がなかったら、そん時辞めりゃいい。
世の中の技術にしっかり付いて行ってれば、欲を言わなきゃ再就職だって楽チンだ。
「ちゃんと一般のメーカーにでも再就職しなきゃなぁ」そう思っていたのに、全く逆の考えに変わった。

そして次に行ったのが、デジカメがノリノリだった某メーカー"F"。F社の仙台市郊外にあるデジカメ国内生産工場だ。
内蔵基板の自動検査装置の設計を担当する事になる。実はこれが地獄の始まりで...
半期に十数種類もの新機種を出すF社、もちろん基板もそれぞれ。その検査装置を自分も含めたった2人でやるのだ。
「冗談じゃぁない!」最初はそう思ったが、本当に冗談でも何でもなかった。

ここの忙しさは半端でなかった。忙しい時期は本気で2〜3時間睡眠が続く。自分ともう一人だけが、いつも最後まで残ってる。
目はかすみ残像が残るようになる。朝起きると体全身が痺れてたりした。
他の奴等に手伝わせたかったが、設計という物が出来ないと言う。そうか、ここは現場会社だ... うかつだった。
どう考えてもマンパワーが足りない、でも人はいない。いつまで経っても変わらぬ状況。
新たなモノを考える暇などなく、使い回しの設計でやり繰りする。設計者といしては非情につまらない内容。
「仕事は単に収入を得る糧、頭使わずダラダラしたい」と常日頃言ってはいるが、ここまでくると淋しささえ覚える。
しかしそれが精一杯の毎日。そんな苦労を2年程続け、だんだんと落ち着いてはきた。

そして現在、ここへ来て約3年が経過している。
当初デジカメ国内シェアNo.1だったF社も、現在は第4位。かろうじて海外業績で持っているといった状況だ。
国内シェア第3位のO社なんて、なんと今期赤字だ。予想外に大きかった市場販売価格の下落が、利益率を極度に低くした結果だ。
もう底が見えてるデジカメ市場、F社だって先を見てない訳ではなく、数年前から携帯用カメラモジュールにも着手。...ただし遅すぎた。
それにDoCoMoに精通する輩なら想像に難しくないと思うが、奴等の叩きはハンパではない。儲かり続ける筈がない。

「ここ、ヤバいんでないの?」このところずっとそれを考えている。
まあ、そうすぐには傾かないし、F社には銀塩カメラ用のフイルムという金壺があるので、メーカー全体としては何とかなるだろうけど...
最近では基板の完成度も高くなり検査装置自体も簡素化する。故に設計してても面白くないし、自分のスキルアップにもならない。
「ん〜、俺もそろそろ他んとこ行ってみる?」

もう少し居座らせて貰いながら、ちゃんと考えてみっか。


ハードブーツ 04年09月29日

所謂「アルペン系」と言うやつ。
スキーのようなプラスティック・シェルのブーツに、爪先と踵を固定するバインディング、硬くて細い板。
板が細いのでスビードが出て切り替えしも楽。ブーツも板も堅めのフレックスで安定感抜群、少ない力で強いエッジングが可能。
が故に、足首も然程曲がらず操作はシビア。

「こっちのほうが楽」と言ってハードブーツ履く人と、「こっちのほうが楽」と言ってソフトブーツを履く人がいる。
体力的に楽か、操作性が楽か、その違い。
履き続けてみると、どっちも面白いんだよね〜。勿論ちょっと乗り換えただけじゃ駄目。人間慣れた方がいいと思う生き物だから。

でも、アルペンは衰退の一途にある。
10年前は覚えきれない位のメーカーがあったのに、今じゃもう数える程度。
しっかり力を入れているメーカーは、その半分もないと思う。

UPSやKASTINGERのブーツが無くなり、OXYGEN,SANTACRUZの板はもうない。LIQUIDやWILDDACKなんてメーカーも作ってたな。
そのうち大手ROSSIGNOLが撤退し、続いてBURTONまで...これにはショックを隠しきれなかった。
かろうじてBURTON全面協力の下、日本でR17 ADDICTEDが出来たが、それも今期限りで終了...
Peter,Jean,Martin,Sigi、彼らの板にはもう乗る事は出来ない。

そういう自分も、山のウェイトが高くなるにつれ、頻度が下がってきたかもしれない。
でも、やめる気はないよ。だって面白いもん。
技術的にどうこうとか、何に向いてる向いてないとか、勿論そういうのもあるんだけど、
自分が一番大切だと思う事、それはFUNであること。
それがあるから、やめられない。

みんな、もっとハードブーツ履いてみるといいのにな〜


三種の神器 04年09月27日

三種の神器とは勿論、冬山に入る上で必要なアレである。
と言うか冬山に入る以上、既に世の中の常識となっている。
「自分は必要ないや」では済まされない。持ってないと言う事は、同行者に対して「私は貴方を見殺しにします」と言ってるのと同じ事。

「雪崩れるような所には行かないから」皆そう言う。本当にそうですか?雪崩れない場所とは何処ですか?
昨年は私が良く行く西吾妻でも雪崩れたポイントはありましたね。蔵王スキー場内でも雪崩れが発生しましたね。
スキー場なら規模も小さいし助けてもらえますが、山は...

雪崩、その9割は人為的なものである。人間が横切ったり振動を与える事により雪の結束を壊し、雪崩は発生する。
人間が何もしなければ、つまり自然発生する雪崩は、たった1割程度でしかない。
しかしその1割ですら、自然に雪崩が発生するようなポイントですら、身近に多々存在するのである。
そして人間が振動を与えたり切ったり(歩いたり滑ったり)するもんだから、その確率は激増する。

貴方は賭け事が好きですか?
俺は賭け事はあまり好きじゃないから、パチスロも競馬もしない。
だから三種の神器を持たないで冬山に入る、つまり命を賭けるなどもっての他。
でもいくら賭け事が好きだとしても、自分の命を賭ける事はないだろうに...

雪氷学や雪崩学が進歩し、完全ではないものの、そのメカニズムはだいぶ解明されてきた。
経験や感だけで判断する時代は、もう何年も前に終わった。
経験以上に正確で、経験を積まなくても得られる科学的根拠から、より適確で安全な判断が下せる時代となった。
そして、それに加えて豊富な経験があれば、十年前では考えられないくらい正確で安全な山行が行えるようになった。
しかし自然を侮るなかれ。
03年04月に八甲田 高田大岳で発生した雪崩は、山スキーの定番ルートを丸飲みにした。
「ここは大丈夫」、そんな場所はない。


何も難しい事ではない。
ビーコン、プローブ(ゾンデ棒)、シャベルを持とう。(勿論それを使う為の訓練は必要だが)
リーシュコード(流れ止め)と同じように、必要かつ常識だから...
携帯したからと言って必ず助かる訳じゃない、確立が増えるだけ。しかしその差はあまりにも大きい。

生命保険と一緒で使わないに越した事はない。
でも、車の保険と一緒で、万が一の為に必要不可欠。

自分と仲間の命に関わることだけに、それ以上に必要な物だと思う。


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